生活介護笑の室内がスモールステップで静かになりました!
ブログの更新を楽しみにして下さっていた皆様、こんにちは!
東京都あきる野市にあります、生活介護笑の生活支援員の花田です。
つい最近、「明けましておめでとうございます」なんて挨拶を交わしたと思っていたのに、気が付いたらもう2月?!
様々な感染症の流行が続く中、あの言葉にするも恐ろしい花粉の飛散も始まりましたが、元気に乗り切っていきたいですね!!
利用者様は増えたけれど…
さて、笑では今年度に入って新しい利用者様2名をお迎えしたこともあり、いっそうにぎやかな日々を送っています。
ただ、話し声や物音があちこちで飛び交うのは利用者様にとってはストレスが溜まりますし、私達スタッフもお一人お一人に合わせた支援がしにくいのが現状です。
そこで、今回は「にぎやかな環境を少しでも静かに保ち、安心して利用者様にご利用いただきたい」という思いを実現するために、自分たちがどんな取り組みをしているのかについて、お話しさせていただきます。
静かな活動環境をつくりたい!
笑の利用者様は障害支援区分の5~6、大半が『強度行動障害』に該当する方々です。
その中には、職員の話し声や周囲の物音などの音声刺激に敏感であったり、言葉掛けによって誤解が生じ、不穏になってしまうことのある方が多くいらっしゃいます。
そのような環境ではありますが、どの利用者様にも安心して過ごしていただきたいですし、スムーズにコミュニケーションができるようにならないものだろうかと思い、事業所全体で【静かな環境づくり】のために必要なことを考え、取り組みを開始しました。
視覚的なコミュニケーションの充実に向けて
まず最初のステップとして、利用者様の支援で起きている声掛けを減らす取り組みから始めました。
利用者様の中には、今の考えや思い・要求や要望などを言葉で伝えてこられたりする方は確かにいらっしゃいます。
しかし、言葉だけを頼りにした支援のみを行っていくと、言葉の意味やニュアンスなど、見えない物への理解が難しかったり、その言葉と今やる事へ関連づけることが難しいといった理由から、言葉と実際の行動がかみ合わず、うまく伝えることができないために不穏になってしまうこともしばしばです。
スタッフも、利用者様の発している言葉をうまく理解できないことから、意味合いのズレや誤解がさらに生じることもあります。
こうした状況を改善するために、生活介護笑では、目で見て物事を理解しやすいという利用者様の強みを活かして、視覚提示カード(コミュニケーションカード)を介して、今やることなどの情報を実物の写真やイラスト等で提示し、意味合いのズレや誤解をなるべく最小限に抑えることに力を注いでいます。
これを見て、今やるべきことを理解して下さいね!
★これからトイレへ行ってほしいことを、言葉ではなくトイレのイラストのカードに注目していただくことでお伝えしています。
★一緒に行くメンバーやスタッフが揃ったら散歩に出発することを、台紙にカードを貼り合わせていただくことでお伝えしています。
一番分かりやすい情報は何だろう?
もちろん、利用者様によって、どのような情報が意味を理解しやすいのかについては、アセスメントを行いながら改良を重ねていくことが大切です。
そこで、まずはスケジュールやコミュケーションカードで使用する、色・文字・イラスト・写真などについて、何が一番理解しやすいのか、また、注目しやすいのか等について、絵画語彙発達検査や言葉と絵のマッチング(笑オリジナルのアセスメント)、TTAPといった手法を通じて一人ひとり明らかにすることから取り組んでいます。
↓まずは、職員同士でしっかり練習を重ねて…
↓一人ひとりの利用者様とアセスメントの機会を設けて、実践を繰り返しています。
こうしたアセスメントの結果を活かし、その方だけのために作成したコミュニケーションカードを導入したことで、意味合いのズレが生じることが減り、落ち着いて活動に参加されるようになる方が多くいらっしゃいます。
例えば、ある利用者様は職員に向けた発語はあるものの、言葉と実際の行動が一致していないことが多く、理解や認識のズレが生じやすいため結果として不穏になってしまうことがありました。
そこで、下の画像にあるコミュニケーションカードを場面や状況に応じて提示し続けたところ、次第に一枚ごとのカードの意味合いが伝わり、今では提示した情報に合った行動をご自分から始められるようになっています。
リンク↓
※検査やアセスメント方法については→ https://ship-emi.com/2023-6-19/
自分から伝えるツールとしても使えます!
また、最近では、ご自分から思いやしてほしいことを伝えることが苦手だった利用者様が、視覚的なコミュニケーションのやり取りを積み重ねることで、ご自分からカードを使ってスタッフに意思表示される場面も増えてきています。
活動に用いるアイテムが必要な状況で、職員へカードを渡してからアイテムを受け取ります。
私たちは、まず、どのようにしたら利用者様に必要な情報を分かっていただけるのかについて試行錯誤をするのですが、それが積み重なって利用者様が自分にとって頼りになるものが何が理解できれば、利用者様もそのツールを使って自分の思いや要求を他者に伝えられるようにもなる。
そんな双方向的なコミュニケーションへと発展させていくことが可能であることも、改めて実感できるようになりました。
私たちだって、知らない言葉で話しかけられたり、何か伝えたいことがあっても相手に理解してもらえなかったりすると、イライラもするしストレスが溜まりますよね。
一人ひとりの利用者様とのコミュニケーションが成り立つことは、安心して過ごせる環境づくりの基本中の基本!
「このくらいで大丈夫なんじゃないか?」なんて妥協せず、根気強く取り組んでいきたいと思っています。
視覚的なコミュニケーションの実践を見てみませんか?
もちろん、今でもにぎやかになってしまう場面はありますし、コミュニケーションがうまくいかずに利用者様が苛立ったり、スタッフもつい焦ってしまうことだってあります。
それでも、私が支援者としてスタートを切った頃に比べると、我ながら「えっ!?こんなに静かで落ち着いた雰囲気で活動できるんだ!」と、つい自画自賛したくなることが着実に増えてきています。
また、そんな環境下では利用者様とのやり取りもスムーズで、あれこれ忙しなく働きかけなくても、利用者様はスムーズかつ穏やかに行動して下さっています。
そんな、ややもすると自分がその場で不要に思えてしまうような状況に確かな手応えを感じられるようになったのは、きっと自分が成長したからなのでしょう(照)。
今後も、笑では一人ひとりの利用者様に対してアセスメントをしっかりと行い、その方に合ったコミュニケーション方法を見つけていくことで、利用者様もスタッフも安心して過ごせる環境を目指していきますので、興味関心を持った方はぜひ一度見に来ていただきけるとうれしいです!
ということで、生活介護笑(えみ)では、ご見学の希望をいつでも歓迎いたします。
電話やFAX、下の問い合わせボタンからでも構いません。
ぜひ一度ご連絡下さい!!
生活介護え笑み
東京都あきる野市二宮336-3
TEL:042-532-0005
FAX:042-532-0006