いっしょに笑おう
私達はご本人の特性を理解し、
個別化した活動を大切にします。
生活介護笑では、言語理解やコミュニケーションに困難さをもつといった重度障害者(知的・精神)の特性を理解し、ご本人の「できる部分」「できそうな部分」を職員全員で繰り返しアセスメントします。
そして、作業内容はもちろん、作業量や休憩時間も含めた個別化した活動を提供し、利用者様一人ひとりが自分らしく生き、笑顔になることを目指します。
支援内容が利用者様にマッチする至福の瞬間上手くいかないことがあるからこそ味わえるやりがい
- サービス管理責任者 田中憲哉(タナカ カズヤ)
- 2019年10月入社
- 社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士
-簡単な自己紹介をお願いします。
田中) はじめまして。2020年9月より生活介護笑(以下、笑)でサービス管理責任者をしている田中憲哉と申します。SHIP入職前は、教育現場や重度・最重度の知的障害者が対象の入所施設で働いていました。
-教育から福祉にフィールドが変わり、仕事上でとまどうことはありませんでしたか?
田中)学校等の「学び」の場が主戦場となる教育分野とは異なり、障害福祉サービスはその方の生活の場すべてが職域となることが、違いの一つとして挙げられるのではないかと思います。まだ障害福祉サービスの仕事に入りたてだった頃は、支援することによって利用者様が自分の言うことを聞いてくれれば良い支援ができたという幻想に取りつかれていました、今思えばアブない職員だったように思います。
そんな思考で仕事をしていたため、支援中の感情の起伏が激しくなっていたことや周囲の評価を気に懸けてばかりいたこともあり、仕事での心身の疲れを強く感じるようになっていました。その時期、ため息が増えていることを同僚から指摘され、「心を穏やかな状態に保ちながら支援に当たるには、どうしたらよいのだろう?」と思うこともありました。
-自身の理想と現実のギャップに悩む状態から、抜け出せたキッカケはありましたか?
田中) ひとりよがりな支援ではなく、もっと合理的で科学的な根拠のある支援をしたいと思っていたところ、内部研修で応用行動分析の手法について学ぶ機会を得ました。利用者様の心理状態ではなく行動に着目し、その行動の機能(意味)を理解し適切な介入を行うという応用行動分析のプロセスが、元々人間観察や推理好きな私の性格にハマったような気がします。
「なぜ、あの方はあの時間帯であのような行動をするのだろう?」などと振り返りつつ、それに対する自分なりの仮説を立ててみるようになると、夢中で利用者様を観察するようになりました。例えば帰りの電車の中、食事、入浴、布団に横になった時などに、ふと新しい発想が浮かんだりすると、「明日これを試してみよう」とか、「同僚に話してみよう」という感じで、出勤するのが楽しみになりました。
もちろん、その支援や考え方が利用者様にマッチしなかったことや、「はあ?」みたいな反応が返ってきてガッカリしたことが何度もありました。それでも自分の意思や感情を適切に表現することが難しい利用者様と向き合いながら、支援内容が利用者様にうまくマッチして良い方向に進んだ瞬間は、うれしさで全身に鳥肌が立つほどです。ほかの方にとっては、「そんなことくらいで?」と思うような些細なことに喜びややりがいを感じられるようになったと自覚した時に、「この仕事に就いてよかった」と確信しました。
-最後に、これから障害福祉の分野で働いてみたいと考えている人に、何か一言お願いします。
田中) 前職の入所施設で働き始めたころ、人生の中で初めて出会ったと言ってもいい重度の利用者様への支援に戸惑い・迷い・失敗しては落ち込み、同僚と自分のデキを比べては情けなくなる憂鬱な毎日でした。半年ほど経って、そんな様子を見かねた先輩職員が食事に誘って下さって、その席で「自分がもっと良い存在でありたいと焦る必要はないと思うよ。利用者様だって、僕たちと同じようにコミュニティの中で生きている存在で、コミュニティの中にはいろいろな人がいるじゃない。だから、まずはありのままの自分が利用者様のコミュニティの一部になっていれば、それでいいと思うよ。」という言葉をかけてもらいました。それを聞いて、「支援者として必要な知識・技術・経験は、きっと少しずつ得られるだろうから、まずは臆せずコミュニティの中に居続けよう。」と開き直ることができました。
私から障害福祉を目指している皆様に言えることは、「障害福祉に対して、自分で心の垣根を設ける必要はない。」の一言です。今の自分に何ができるのか、何を知っているのかにとらわれず、まずは利用者様のコミュニティに入り込んでみてほしいですし、一緒にSHIPというコミュニティの構成員となって下さる方との出会いを心から楽しみにしています。
この職員紹介だけで生活介護笑の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。
-まずは、簡単な自己紹介をお願いします。
福本) 生活介護笑(以下、笑)で生活支援員をしている福本あすみと申します。笑がオープンした2014年9月の直前に入社し、それ以来3年半ほど勤務しています。
-続いて、笑での役割や仕事の内容を教えてください。
福本) 利用者様の活動の見守り・フォロー、記録の作成、利用者様のアセスメントのほか、サービス管理責任者のつくる個別支援計画をもとに活動を考え提供しています。
-重度障害(知的・精神)をもつ利用者様を対象とした自立支援課題が50課題ほどあると聞いていますが、例えばどのようなものがあるのでしょうか?
福本) ビーズ通しやボルト締め、バラバラになった部品を組み立てるボールペン組み立てなど課題があります。それから、もう少しシンプルな紙すきの材料になる牛乳パックの紙はがしやシンプルにビー玉を箱に入れていく課題もありますね。職員みんなで考えたものを提供してそれで返ってくる反応を見るのが楽しいです。
-笑の提供する自立支援課題の意味は?例えばビー玉を箱に入れる作業にどんな意味がありますか?
福本) 簡単に言うと利用者様が「好きなことをして落ちつける」ということですね。例えば、Aさんは、ビー玉を箱に入れる感触が好きなんですね。第三者が見るとあまり意味のある行為に思えないものであってもご本人にとっては心地よい手触りであったり、音であったりと好みがあります。実際、以前は掲示物を破ってしまう行為がすごく目立っていたんですけど、そのビー玉入れが定着して落ちつけるようになってからほとんどなくなりました。
-利用者様が主体的に課題を選択しているかどうかはどのように判断していますか?
福本) Aさんにとってのビー玉入れのように、好きな自立支援課題には長い時間でも没頭することができます。そして、ビー玉入れのトレイを自分から取りにきますし、反対に嫌い、やりたくない課題は見向きもしなかったり、ゴミ箱に捨てられてしまったこともあります(笑)これからは、ビー玉以外にも割りばし入れだったりとか、形状を変えてものを入れるように幅を広げることができたらと思っていて、定着してきたらお住まいのグループホームでもそういうものを使って、見通しのつかない隙間の時間に好きなことをして過ごせるようにつなげていきたいですね。
-ところで、福本さんは笑の中堅職員という立場になると思うのですが、前職の入所施設の経験も生きているのでしょうか?
福本) はい、そうですね。利用者様の障害の重さや支援内容はぜんぜん違いますが、「あえて反応しない支援」や、「利用者様の要求全てに応えていると誤学習につながること」、「声掛けのタイミング」などは、前職での経験が活きています。前職では、経験を積むというよりは毎日をこなすのに精一杯でしたし、だんだんと笑って仕事ができなくなって結局1年半くらいで退職してしまったんです。
-すると、本格的に経験を積んだのは笑に入ってからということですか?
福本) はい、そうなります。また、前職では、主に重度の障害をもつ人としかかかわりがなく、言語能力のある中度の人の支援は初めてだったこともあり、2年半ほど前にオープニングスタッフとして採用された当初を振り返ると利用者様に「申し訳なかったな」と反省する部分も多いです。面談技術もまったくなかったし、利用者様に対して受容が全然できていなかったですし、話の聞き方は相手が話してくることをこっちでさえぎってしまったり、聞きたいことがあったらその場でパッと聞いちゃうとか。
-いわゆる傾聴や受容といったことだと思いますが、今はどのように変わったのでしょう?
福本) 上司から「動機づけ面接法」という援助技術のレクチャーを受けてから、「そうですね」「そうなんだね」っていうような、あなたの言ってることは「私はわかりましたよ」っていうような受け止め方をするようになりました。なので、活動内容の提案の仕方もやっぱりその方が求めてないのにこっちが勝手にこういうのやったらいいじゃないですかとかいうのもやめました(笑)相手が受け入れる体勢になってからこっちが初めて提案するっていうのを経験から学んで、そういう順序があると相手も変わってくるんだなっていうのを知ったんです。
-最後に笑で大切にしていることを教えてください。
福本) いかに利用者様の特性を理解して笑顔を増やすかということに尽きます。以前までは、ASD(自閉症スペクトラム障害)をもつ人への支援は、できない部分に注目しがちでした。でも、ASDの特性について学ぶようになってからは、できる部分に注目するようになったんです。そこをもっと伸ばせるような課題を提供することで、少しずつ生活の幅が広がっていく実感が持てて、もっとアセスメントをしていきたいと思うようになりました。これからも職員と利用者様、みんなで考えたものを提供してそれで返ってくる反応を楽しみにしてきたいと思います。
このインタビューだけで生活介護笑の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。
-簡単な自己紹介をお願いします。
生活介護笑(以下、笑)で生活支援員をしている伊能殿記と申します。 2021年9月に入社しましたので、1年ほど勤務しています。
-どんな仕事をしているのですか?
伊能)毎日の生活の記録を元に、利用者様のご要望やニーズを把握するいわゆる「アセスメント」をもとに、利用者様の活動の見守りとサポートを行なっています。
-転職のキッカケや入社理由を教えてください。
私は、大学で保育士資格と幼稚園教諭一種免許の資格を取得し、最初は幼稚園で働いていました。それから間もなく、父が経営するデイサービスの会社に転職し、それから今まで福祉業界で支援のお仕事をしています。
福祉業界では、高齢者の通所介護、障害を持つお子様の支援、介護施設で利用者様やそのご家族からの相談や悩みを解決する生活相談といったことをしてきました。そういった仕事を通じて、現場での支援が自分には合っていると感じていました。それが、転職活動をするようになったキッカケです。
入社理由としては、笑で見学をしていたとき、職員と利用者様の全体が信頼関係で結ばれてアットホームな雰囲気があったのは大きかったです。また、利用者様の行動を一方的に変えさせる支援ではなく、「利用者様がその行動を取るのはなぜなのか」という問いから「本当にその利用者様に必要なことは何か」を考える支援を行なっていることも、大きな決め手でした。
-これまでの職場との違いは感じましたか?
以前は、「こうしたい、ああしたい」よりも、「これをやったら怒られる」「怒られないように仕事をしよう」という環境でした。それが、笑では自分の考えを言うことや意見交換をすることが推奨されています。何を言っても、必ず受け止めてくれます。
そのような雰囲気のある笑では、業務改善の提案などもとても言いやすく、事業所全体でお互いを受容し、フォローし合う文化があるなと感じています。その文化が、アットホームな雰囲気を形づくっているのだと思います。
まだ笑での業務に慣れないとき、ちょっとした請求書のチェック漏れをしたことがありました。「しまった!怒られる!」と思って一瞬緊張したのですが、上司からの言葉は「慣れない中大変でしたね」といったあたたかいものでした。そういった、言動の端々にあるあたたかさは、巡り巡って利用者様へのサービスの質にも良い影響があると思っています。
-最後に、重度の(知的・精神)障害をもつ方にご利用いただいている「笑」ならではの支援のやりがいはどんなところにあるのでしょうか。
ある意味、重度の障害をお持ちの利用者様の支援は、難しいところだらけです。「支援者の感覚からしたら、当然こうなるだろう」というのが通じないからです。
例えば、言葉が喋れる利用者様でも、こちらからの『座ってください』という言葉がけに対し、座ることができない利用者様がいらっしゃいました。どうしたら座ってくれるんだろうと考えあぐねて、試しに椅子に座っている絵を見せたところ、すんなりと座っていただけました。喋ることはできるので、「座ってください」という言葉が伝わるものだと思っていましたがそれでは足りず、イラストが必要だったことが分かりました。
ただ、その難しさはやりがい・楽しさとセットなんです。「この利用者様のことがまた少し分かったかもしれない」と楽しくなります。また、そうした支援を通じて変わっていく利用者様の様子を見るのもやりがいにつながります。支援内容は利用者様ごとに違いますが、逆にそれを探るのを楽しんでいます。
以前は、「怒られないように」とビクビクしながら支援をしていた私ですが、笑では、職員も利用者様も同様に「認めてくれる」存在として安心して同じ空間にいられていると感じています。
このインタビューだけでグループホーム友セカンドの支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。
随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。
-簡単な自己紹介をお願いします。
品川)生活介護「笑」で主任生活支援員をしている品川翔子です。2019年に入社した当初は「笑プラス」に配属され、2023年4月から「笑」に異動になりました。どうぞよろしくお願いします!
職歴は介護系の専門学校を卒業後、他法人で就労継続支援B型と生活介護を4年ほど経験したのち、SHIPに転職しました。
-同じ生活介護の事業所から転職したのはなぜですか?
品川)重度の知的障害のある方への支援について勉強不足だと感じ、もっと学んで成長したいと思ったからです。
前の職場で初めて重度の知的障害のある方を担当しましたが、徐々に利用者様との距離感や支援方法に迷い、まわりにも相談できず、限界を感じてしまいました。
そのころ「自閉症支援」について検索し、SHIPのホームページを見ながら支援の参考にしていたのが入社のキッカケになったと思います。
-SHIPの生活介護が他と比べて力を入れているサービスはなんでしょうか?
品川)「アセスメントを通しての根拠ある支援の提供」だと思います。
前の職場は、言葉によるコミュニケーションや関係性を重視した支援方針で、ベテラン職員の勘や経験をたよりに進めていくような風土でした。そのため、職員によって支援に差が出てしまうといった問題がありました。
SHIPではTEACCHプログラムに基づく構造化支援の提供や、TTAPというフォーマル・アセスメントを使っています。客観的な視点で「できること・できないこと・できそうなこと」を評価しながら支援計画を立てているので、誰でも同じように支援できるという部分には、すごく力を入れていると思います。
-事業所での仕事内容を教えてください。
品川)個別支援計画のもと、利用者様に伝わる視覚支援の提供や見守り、散歩などの外出支援や自立課題の作成、支援記録の入力、利用者様のアセスメントなどを行っています。
主任としては、グループホームとの連携を図ったり、現場全体の状況把握に努めたり、職員の皆さんのフォローなどを行いながら支援の相談に乗るなどもしています。
かつての自分自身がそうだったように、職員の皆さんが一人で抱え込んでしまうことのないよう、相談に乗りながら「一緒に取り組んでいく」ことを大事にしています。
-利用者様はどういった方が多いのでしょうか?
品川)障害支援区分5~6の知的障害のある方がほとんどです。言葉でのコミュニケーションやイレギュラーへの対応の難しさから、自傷や他害、不安、パニックなどを起こす強度行動障害をお持ちの方が大勢いらっしゃいます。
そのため、変化や見通しを立てるのが苦手な自閉症の方たちにとって、理解しやすく活動しやすいように、絵カードなどのコミュニケーション・ツールをたくさん活用しています。
それでも何がきっかけで不穏になるのか分からないことも多いので、常に利用者様の行動や表情を観察するように努めています。
-最後に、生活介護のお仕事のやりがいを教えてください。
品川)言葉ではなく視覚的なツールを使っての支援は、はたから見ると「なんで声をかけないの?」などと思われがちです。
でも、一日の終わりに、使い終わったコミュニケーションカードBOXを見てみると、たくさんのカードが入っていて、「言葉を使わなくてもこんなにやり取りしたんだなぁ」と実感できます。
そして、次はどうやって伝えてみようかと意欲が湧いて、新しい発見が尽きないことにやりがい感じています。
この職員紹介だけで支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。
随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。
人員体制
管理者兼サービス管理責任者1名
生活支援員5名
看護師1名