いっしょに笑おう

私達はご本人の特性を理解し、
個別化した活動を大切にします。

生活介護笑では、言語理解やコミュニケーションに困難さをもつといった重度障害者(知的・精神)の特性を理解し、ご本人の「できる部分」「できそうな部分」を職員全員で繰り返しアセスメントします。

そして、作業内容はもちろん、作業量や休憩時間も含めた個別化した活動を提供し、利用者様一人ひとりが自分らしく生き、笑顔になることを目指します。

「物理的構造化」が生む落ちつき個別の活動で重度障害者(知的・精神)が笑顔に

  • サービス管理責任者 中村ひとみ(なかむらひとみ)
  • 1961年生まれ/2014年1月入社
  • 社会福祉士・介護福祉士

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-まずは、簡単な自己紹介をお願いします。

中村) 生活介護笑(以下、笑)でサービス管理責任者をしている中村ひとみです。2014年9月にオープンした笑に配属になったのは2016年11月。以前は他の社会福祉法人の入所施設で知的障害者の支援をしていて、さらにその前は建設業界で工事現場の監督などもしていました。

-現場監督の経験があるとは驚きですね。続いて、サービス管理責任者としての役割や仕事の内容を教えてください。

中村) 利用者様をどのように支援するか、アセスメントを行い、個別支援計画を立てています。さらにその計画にもとづいた支援の実践状況や効果を見極めるモニタリングをしています。実際に支援にあたるのは生活支援員など他の職員になるので、人材育成の一環としてのOJTやスーパーバイズも大切な役割ですね。

-生活介護の利用対象者は障害支援区分3以上(笑の場合は、知的または精神の障害をもつ人)となっていますが、重度の障害をもつ人を受け入れるためにどのようなことをしているのでしょうか?

中村) 強度行動障害、特にASD(=自閉症スペクトラム障害)の利用者様が過ごしやすい、わかりやすい環境(物理的構造化)と、個別化したプログラムの提供をしています。重度の方は、言語理解など知的能力の困難さがあるため、言語コミュニケーションでは理解できず混乱してしまい、その行動が問題行動として捉えられることが多いです。支援者として、個別の特性や学習スタイルの理解を深めると同時に、利用者様それぞれが理解し落ちつける環境を整えていくことがとても重要だと考えています。利用者様の刺激になるものを除き、わかりやすく見通しが立つ環境を整えることでご本人が理解でき落ちついて行動できるようになっていくのだと思います。私たちもストレッサー(ストレスとなる刺激)の多い環境、見通しの立たない環境では落ちつけませんし、イライラするのと同じですね。

-わかりやすい環境をつくるための手法として「物理的構造化」というキーワードが出ましたが、どのようなものですか?実施状況を教えてください。

中村) 作業室の物理的構造化を実施しています。個別の座席(ブース)を設け、その方に合った環境づくりを日々行っています(常にアセスメント行い再構造化を実施)。また、スケジュールや活動などを提示する際に、絵カードや写真、カラーテープなどを活用し、言語よりも視覚情報を優先するASDの方が理解できるように努めています。

-以前、勤めていた入所施設との違いについても教えてもらえますか?

中村) 入所施設は、職員体制を含め色々な意味で支援が画一的になりがちで、利用者様は受動的(になっていきますよね)でした。入所施設に限らず、どこの事業所(作業所)も、人員的な問題もあり個別対応は課題だと思います。日中活動として、個別に作業を提供していくのはすごく労力がかかりますから。実際、構造化を取り入れる前の笑もそうでした。作業ありきで、受動的な利用者様・・・。具体的に言うと、織物作業はAさんBさんCさん、習字はDさんEさん、紙ちぎりは座っていられるFさんGさん・・・。強度行動障害のHさんは座っているのが苦手だから午前も午後もウォーキング・・とか(笑)作業室も決して十分な広さとは言えず、中度の方と重度の方が混在していますし、年齢も20歳から73歳と幅広い。障害特性もかなり違う状態で等々・・結局、職員配置や支援者側の都合で活動内容を決め、それに利用者様を割り振って活動していました。振り返ると、ぜんぜん個別化していませんでしたね。

-「個別の対応ができていなかった」という課題をクリアするきっかけが何かあったのでしょうか?

中村) 2016年度に丸1年かけてASDの研修を行い、昨年(2017年)3月に作業室の大規模な物理的構造化を行いました。また、個別のスケジュール提示や作業内容も個別化して提供するようにしました。そのために、興味関心があり、「できる部分」「できそうな部分」を具体的にアセスメントするようにしました。様々な個別プログラム(自立支援課題=個人に必要と思われる作業)を提供し、アセスメントを繰り返し行いながら、少しずつではありますが、作業の提示方法、作業内容、1つの作業量、全体の作業量、休憩時間など、その方に合わせた個別の作業を提供できるようになったと思います。

その結果・・・

時として他害や自傷も起きていた状況が一変しました。ASDや強度行動障害のある方もやる事、やる場所を自分なりに理解し(まだ意味理解は難しいと思いますが、ここを目指しています)、スケジュールに沿って、落ち着いて活動に取り組む時間が増えてきています。

-最後に笑の課題や今後の方向性について聞かせてください。

中村) 笑の運営主体である社会福祉法人SHIPでは、ASDをはじめとした発達障害をもつ人に向けた先駆的な支援を学ぶために米国ノースカロライナ州で取り組まれているTEACCH(ティーチ)を視察しました(2016年8月に本部事務局ヒューマンリソース推進室の若林佳史が渡航)。その視察のフィードバックを受けた現場では、TEACCHの考え方の一つとして「生涯にわたるコミュニティに基盤を置いたサービス」を学び、活動ができるようになったらおしまいではなく、「ASDの方が自分らしく生き、笑顔になること」を目指しています。

この職員紹介だけで生活介護笑の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

お問い合わせ

「利用者様が好きな感触」をみつける自分自身も楽しむ個別プログラムの提供

  • 生活支援員 福本あすみ(ふくもとあすみ)
  • 1990年生まれ/2014年8月入社
  • 児童指導員任用資格

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-まずは、簡単な自己紹介をお願いします。

福本) 生活介護笑(以下、笑)で生活支援員をしている福本あすみと申します。笑がオープンした2014年9月の直前に入社し、それ以来3年半ほど勤務しています。

-続いて、笑での役割や仕事の内容を教えてください。

福本) 利用者様の活動の見守り・フォロー、記録の作成、利用者様のアセスメントのほか、サービス管理責任者のつくる個別支援計画をもとに活動を考え提供しています。

-重度障害(知的・精神)をもつ利用者様を対象とした自立支援課題が50課題ほどあると聞いていますが、例えばどのようなものがあるのでしょうか?

福本) ビーズ通しやボルト締め、バラバラになった部品を組み立てるボールペン組み立てなど課題があります。それから、もう少しシンプルな紙すきの材料になる牛乳パックの紙はがしやシンプルにビー玉を箱に入れていく課題もありますね。職員みんなで考えたものを提供してそれで返ってくる反応を見るのが楽しいです。

-笑の提供する自立支援課題の意味は?例えばビー玉を箱に入れる作業にどんな意味がありますか?

福本) 簡単に言うと利用者様が「好きなことをして落ちつける」ということですね。例えば、Aさんは、ビー玉を箱に入れる感触が好きなんですね。第三者が見るとあまり意味のある行為に思えないものであってもご本人にとっては心地よい手触りであったり、音であったりと好みがあります。実際、以前は掲示物を破ってしまう行為がすごく目立っていたんですけど、そのビー玉入れが定着して落ちつけるようになってからほとんどなくなりました。

-利用者様が主体的に課題を選択しているかどうかはどのように判断していますか?

福本) Aさんにとってのビー玉入れのように、好きな自立支援課題には長い時間でも没頭することができます。そして、ビー玉入れのトレイを自分から取りにきますし、反対に嫌い、やりたくない課題は見向きもしなかったり、ゴミ箱に捨てられてしまったこともあります(笑)これからは、ビー玉以外にも割りばし入れだったりとか、形状を変えてものを入れるように幅を広げることができたらと思っていて、定着してきたらお住まいのグループホームでもそういうものを使って、見通しのつかない隙間の時間に好きなことをして過ごせるようにつなげていきたいですね。

-ところで、福本さんは笑の中堅職員という立場になると思うのですが、前職の入所施設の経験も生きているのでしょうか?

福本) はい、そうですね。利用者様の障害の重さや支援内容はぜんぜん違いますが、「あえて反応しない支援」や、「利用者様の要求全てに応えていると誤学習につながること」、「声掛けのタイミング」などは、前職での経験が活きています。前職では、経験を積むというよりは毎日をこなすのに精一杯でしたし、だんだんと笑って仕事ができなくなって結局1年半くらいで退職してしまったんです。

-すると、本格的に経験を積んだのは笑に入ってからということですか?

福本) はい、そうなります。また、前職では、主に重度の障害をもつ人としかかかわりがなく、言語能力のある中度の人の支援は初めてだったこともあり、2年半ほど前にオープニングスタッフとして採用された当初を振り返ると利用者様に「申し訳なかったな」と反省する部分も多いです。面談技術もまったくなかったし、利用者様に対して受容が全然できていなかったですし、話の聞き方は相手が話してくることをこっちでさえぎってしまったり、聞きたいことがあったらその場でパッと聞いちゃうとか。

-いわゆる傾聴や受容といったことだと思いますが、今はどのように変わったのでしょう?

福本) 上司から「動機づけ面接法」という援助技術のレクチャーを受けてから、「そうですね」「そうなんだね」っていうような、あなたの言ってることは「私はわかりましたよ」っていうような受け止め方をするようになりました。なので、活動内容の提案の仕方もやっぱりその方が求めてないのにこっちが勝手にこういうのやったらいいじゃないですかとかいうのもやめました(笑)相手が受け入れる体勢になってからこっちが初めて提案するっていうのを経験から学んで、そういう順序があると相手も変わってくるんだなっていうのを知ったんです。

-最後に笑で大切にしていることを教えてください。

福本) いかに利用者様の特性を理解して笑顔を増やすかということに尽きます。以前までは、ASD(自閉症スペクトラム障害)をもつ人への支援は、できない部分に注目しがちでした。でも、ASDの特性について学ぶようになってからは、できる部分に注目するようになったんです。そこをもっと伸ばせるような課題を提供することで、少しずつ生活の幅が広がっていく実感が持てて、もっとアセスメントをしていきたいと思うようになりました。これからも職員と利用者様、みんなで考えたものを提供してそれで返ってくる反応を楽しみにしてきたいと思います。

このインタビューだけで生活介護笑の支援内容をご理解いただくのは難しいかと思います。随時、見学や体験を受けつけておりますので、お気軽にご連絡ください。

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