小さな「気づき」が、支援を変えていく~生活介護 支援のヒント~

小さな「気づき」が、支援を変えていく

このたびの令和8年熊本地震により被害を受けられました皆様に、
心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

あらためまして、生活介護笑のご紹介です。

こんにちは!東京都あきる野市にある ”生活介護 笑” 支援員の春川です。

生活介護 笑はおもに重度知的障害や自閉スペクトラム症の方々が通われる施設です。

皆様に安心して過ごしていただけるように、構造化支援など、利用者様の特性に寄り添った支援を提供しています。

構造化支援についてくわしくは、笑ブログ社会福祉法人SHIPの記事をぜひご覧ください。

YouTube構造化支援チャンネルでは動画で専門的な解説もご覧いただけます。

さて、夏の日差しがまだまだまぶしい今日この頃ですが、ふとした瞬間に風の涼しさを感じることも増えてきました。

季節が少しずつ移り変わるように、利用者様の日々の様子にも、小さな変化が見られます。

「よきこ」から見えてきた、利用者様の新しい一面と支援のヒント

「今日、こんなことがありました」

私たちの施設では、日々の支援の中で見つけた小さな変化や気づきを、「よきこ」という形で共有しています。

「よかったこと」「気になったこと」「こまったこと」を記録することで、一人の職員だけが知っている出来事にせず、みんなで共有できるようにしているんです。

一見すると何気ない出来事でも、みんなで共有して振り返ることで、利用者様の意外な一面や、「こうすればもっと過ごしやすくなるかもしれない」という支援のヒントが見えてくることがあります。

今回は、そんな「よきこ」から見えてきた6名の利用者様の姿をご紹介します。


A様 ― 「予定が違う」から見えてきた、思いやりの言葉

一日の予定を視覚的に伝える、構造化の一つです。この方の場合は午前と午後に分かれています。

A様は、予定がいつもと違うと不安になりやすい場面がありました。

ある日、スケジュールの間違いが分かったときには、気持ちが乱れることもありました。そこで職員がスケジュールを訂正し、謝ると、A様から返ってきた言葉は「どんまい」でした。

その後、通院などで普段とは違う予定の日にも、落ち着いて過ごせる場面が見られています。

「予定の変更が苦手」という一面だけではなく、「分かりやすく伝えれば受け止められる」「相手を思いやる言葉を持っている」という新しい一面に気づくことができました。

こうした発見も、「よきこ」で職員同士が共有しているからこそ見えてきたものです。


B様 ― 「伝えたい」が少しずつ増えています

B様からは、コミュニケーションについての嬉しい発見がありました。

食事のメニューを指差したり、カードを使って自分の希望を伝えたりする姿が少しずつ増えてきたんです。

「今日はチキン南蛮ですか?」と確認するような様子や、音楽を聴きたいときに音楽のカードを指差す場面もありました。

声を出したり、指差したりする行動も、見方を変えれば「伝えたい」という大切なコミュニケーションです。

職員がそれぞれの場面を記録し共有することで、「この行動には、こんな思いがあるのかもしれない」と考えるきっかけになります。

小さなサインを見逃さないことが、支援の大きなヒントになっているんです。


C様 ― 「10秒」から始まった、過ごしやすさへの工夫

ホワイトボードに時間を書いて伝えると、スムーズに着用できるようになってきました。

音に敏感なC様については、イヤーマフ(耳当て)の使用時間の変化が印象的でした。

最初は10秒ほどだった着用が、20分、30分と少しずつ伸びていきました。

周囲が騒がしいときにイヤーマフを使うことで、落ち着いて課題に取り組めることもありました。

「イヤーマフを使えるか、使えないか」だけを見るのではなく、「どのくらいなら大丈夫なのか」「どんな環境なら過ごしやすいのか」を記録していく。

そんな小さな積み重ねから、C様に合った支援の方法が少しずつ見えてきました。


D様 ― 「できない」ではなく、「伝え方を変えてみよう」

同じ果物を合わせる作業です。

D様には、職員のちょっとした工夫が「できる」につながった場面があります。

課題への取り組み方が分かりにくいとき、職員が実際にやって見せると、その後は自分で上手に取り組むことができました。

もちろん、毎回同じようにいくわけではありません。

それでも、「できない」と決めつけるのではなく、「伝え方を変えてみたらどうだろう?」と考えることができます。

「よきこ」に記録された一つの出来事が、次の職員の支援方法を考えるきっかけになる。

そんな「支援のバトン」が、日々の中で生まれています。


E様 ― 「待てた」「ありがとう」が教えてくれたこと

E様からは、「待つ」「ありがとうを伝える」といった姿が見えてきました。

トイレが使用中でも落ち着いて待つことができたり、譲ってもらった際に「ありがとう」と伝えたり。

お茶を待ってほしいと伝えると、待つことができた場面もありました。

その場にいた職員にとっては、何気ない一場面かもしれません。

でも、それを「よきこ」に残すことで、「こんなことができるようになったんだ」と職員みんなが知ることができます。

小さな変化をみんなで見つけ、みんなで喜ぶ。

それも「よきこ」の大切な役割なんです。


F様 ― 記録を続けたからこそ見えた「変化」

送迎車のルームミラーが気になり、外してしまうこともありました。

F様については、長く続いていた行動を記録し続けたからこそ、変化に気づくことができました。

気になる物へのこだわりがあり、職員が対応を考えながら見守ってきました。

その様子を日々記録していく中で、ある時期から「以前のようなこだわりが見られなくなってきたのでは?」という変化が見えてきました。

毎日の出来事だけを見ていると、なかなか気づけない変化もあります。

でも、記録が積み重なっていれば、「そういえば、最近は変わってきたね」と振り返ることができます。

「よきこ」は、変化を見つけるための記録でもあるんです。


小さな「気づき」を、みんなの支援へ

ここまでご紹介した6名の利用者様の姿は、どれも特別な出来事ではないかもしれません。

「ありがとう」と言ったこと。
カードを指差したこと。
少し長くイヤーマフをつけられたこと。
職員の真似をして課題ができたこと。
待つことができたこと。
以前とは違う様子が見られたこと。

一つひとつは、本当に小さな出来事です。

でも、その小さな出来事を職員同士で共有することで、「この人には、こんな一面があるんだ」「こんな支援方法が合うのかもしれない」という新しい発見につながります。

「よきこ」は、困ったことを書いて終わりではありません。

一人の職員が見つけた小さな気づきを、みんなの支援につなげていくための仕組みです。

そして、その積み重ねが、利用者様にとって「分かってもらえた」「過ごしやすくなった」「できることが増えた」という変化につながっていくのだと思います。

私たちはこれからも「よきこ」を大切にしながら、利用者様一人ひとりの小さな変化や、その人らしさを見つけていきたいと思っています。

📣 見学・相談、いつでもお気軽にどうぞ

「どんな雰囲気の施設なんだろう?」
「自分に合った支援をしてもらえるかな?」
「福祉の仕事って、実際にはどんなことをするんだろう?」

そんな疑問があれば、ぜひ一度、私たちの現場を見に来てください。

日々の小さな「気づき」を大切にしながら、利用者様と一緒に歩んでいる私たちの雰囲気を、実際に感じていただけたら嬉しいです。

見学やご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
皆さまのお越しを、心よりお待ちしています。

 

社会福祉法人SHIP
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