★みんなかつては新人だった ~未来の新人さんたちへ~③
こんにちは。東京都あきる野市にあります、生活介護笑のサービス管理責任者の田中です。
そして、アイキャッチ画像は今やすっかり笑のムードメーカー、生活支援員の西さんです!
7月から始まったこの企画も、いよいよ今回が最後となりました。
最終回ということもあり、少しボリュームが多めとなってしまいましたが、どうぞ皆さま最後までお付き合い下さい。
SHIPに入る前の自分へ向けて
田中
ここで話題を変えていきたいんですけど、もし、SHIPに入る前の自分へ声を掛けてあげられるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
西
そうですねぇ…、転職前は自分が興味を持って学んでいたことを思うように実践できないモヤモヤがあったのですが、今は期待していたたとおりの支援に取り組めているので、「楽しいよ」と言ってあげたいかな。
笑での支援を通じて「きちんと一人一人に合った環境が整えば、自分でできることが増えていくんだな」という手応えを感じられるようになってきたので、これからも個々の利用者様の自立に向けて積極的に取り組んでいきたいです。
田中
最近は、西さんのようにSHIPの理念や支援方針、実際の取り組みに魅力を感じて入職される方が増えてきましたが、外部の方に向けて発信していることと実際に取り組んでいることがずれていないんだな、と改めて自信が持てますね。
では、花田さんはどうでしょう?
花田
自閉症の方や重い知的障害の方を支援するのは初めてだったので、当時はずいぶん身構えていたな、と思います。
だから、今の自分からは「そんなに身構えなくてもいいんじゃない」って言いたいですね、「なるようになるさ!」みたいな(笑)。
失敗はしたくないですけど、実際にはうまくいかない支援もたくさんあるので、その度にめげていたらもたないな、って思えるようになりました。
田中
自分たちは利用者様の行動や普段の様子から意思や気持ちを汲み取らなくてはいけないので、本当に地道で繊細な作業だと思っています。
ちなみに、始めた支援がうまくいかない時に、花田さんはどうしていますか?
花田
その結果は冷静に受け止めて、次に向けて改良に取り組む、という感じです。
たった一度のトライで、思っていたとおりの結果が出るなんてことは少ないです。
最初はショックが大きかったのですが、それで支援が滞ってはいけないので、今は予め色々な可能性を想定しておいて、結果に一喜一憂せずに淡々と支援を続けていこうと心がけています。
田中
うまくいかなくて悔しいことや、どうすれば分からなくて悩むことは多々ありますが、結果を急がず時にはもどかしく感じさえもするプロセスを楽しめるようになることが、支援者としての成長であり、やりがいなのかな、と自分も思います。
さて、自分もSHIPに入る前の自分に一声かけるとするなら、「そこからがスタートだよ」ですかね。
「自分の好きな分野に戻ってきた」と安心したのもつかの間、実はそこからが学ぶことの多さと奥深さを痛感するという…。
でも、無理に強がったりせず、あくせくしている姿を包み隠さず後輩に見てもらおうと思っています(苦笑)。
新人さんを迎えるにあたって
田中
さて、ここからはサビ管として少し耳の痛いことも聞いておきたいんですが、新人さんを迎えるにあたって「事業所としてこんなふうに取り組むのがいいんじゃないか」というアイデアなどがありますか?
花田
自分は入職して間もない頃から「学習スタイルを覚えてね」と、繰り返し言われたのが今でも忘れられません(苦笑)。
言葉の意味を理解しようと自分なりに何度も繰り返し資料を見たり、思い出して説明してみたりするんですけど、それだけじゃなくて実際に担当している利用者様への支援と結び付けて考えるのがさらに難しくって…。
未経験の分野の知識を学びながら利用者様の支援を行い、行動観察を通じて一人ひとりの学習スタイルを説明しないといけない、っていうのがしんどくて、正直もうパツパツ状態でした。
田中
ちょうど花田さんが入職した頃は、構造化支援や視覚的なコミュケーションの定着をどんどん進めていこうと、自分が焦っていたように感じます。
プレッシャーをかけてしまい、すみませんでした。
ただ、そんな中でも挫けることなくコツコツと学び続けていた花田さんの存在は、周囲にとって良い刺激になってくれた、と本当に感謝しています。
ちなみに、花田さんは利用者様の学習スタイルをどのように把握されているのですか?
花田
一番は行動観察ですね。
支援の結果はもちろん、その方の特徴的な行動やエピソードをピックアップし、学習スタイルに照らし合わせながら整理しています。
自分の頭の中で考えるだけではなく、専用のシートを活用したフレームワークを繰り返すことで、少しずつ自然と身に付いてきたように感じます。
田中
SHIPでは「根拠ある支援の実践」をとても重要にしていますよね。
一人ひとりの学び方や伝わりやすさを理解した上でその方に合った支援を提供できるように、事前の準備から実践、評価までの一連のプロセスが確立していますし、評価や分析のための書式もずいぶん充実してきたな、と感じています。
西
その点、自分は今年の4月に入職したばかりですが、とても丁寧に関わってもらっていると思います。
特に印象に残っているのは定期的な面談で、主任・サビ管が本当にこまめに時間を割いて下さいました。
また、自分用の育成プランもちゃんと用意されていて、振り返りの度に「がんばりどころを明確にしてもらえる、共有できている」と安心しました。
田中
花田さんと西さんの入職時期には1年半ほどの開きがありますが、その間も新人育成の仕組みの改善に取り組んできました。
目標や課題についての合意形成を重視し、コミュニケーションの機会を増やすことで、以前と比べて新人さんとの間の風通しが良くなってきたように感じています。
こんな先輩でありたい!
田中
さて、かなり話も長くなってきたので、そろそろ締め括りましょうか。
これから多くの新人さんたちとの出会いが待っているかと思いますが、お二人はどんな先輩でありたいと思っていますか?
花田
そんなこと普段から意識していないので、いきなり聞かれても(笑)。
ただ、自分は後輩が入ってきても自然体でいたいと思っていますが、自分自身がこれまで先輩方にたくさん助けてもらってきたので、普段の仕事の中で何か気になることあったら、ちゃんと自分から声を掛けていく先輩でありたいですね。
西
自分は、「一緒に考えられる人」になりたいです。
先輩として教える、というよりも「これはちょっと難しいよね」なんてこともフランクに言い合いながら、一緒に悩んだり考えたりできる存在になれるといいな、と思います。
また、入職時点でのキャリアや経験値は一人ひとり異なるので、未経験や経験の浅い方に対しては見本を示せるような存在になりたいですし、ある程度の経験のある方であれば、寄り添いながら一緒に考えるスタンスで関わっていきたいですね。
田中
SHIPは中途採用の方が多いですが、キャリア的には結構バラエティ豊かというか、幅広いですよね。
職員として求められるものは共通していますが、一人ひとりに合った成長の道筋やペースを尊重していきたいと自分も思っています。
西
私は、悩みや葛藤を繰り返しながらも学び続けることで利用者様の観察ポイントが把握できるようになったり、障害特性や学習スタイルを理解できるようになっていけるといいな、と思っているので、「そういうプロセスこそが大切なんだよ」ということを伝えながら、支援の楽しさや奥深さを分かち合えたらうれしいですね。
田中
「共に働く仲間と寄り添う」という、フラットな横の関係を大切にしている雰囲気がお二人から伝わってきて、自分もうれしいです。
お話しを聞くまでは「どんなことを言われるんだろう?」と正直少し不安もあったのですが、お二人の支援者としての情熱やひたむきさに触れることができましたし、事業所としての士気の高さも実感できて、本当によかったです。
お二人とも、貴重な時間をありがとうございました。
無限の樹形図
さて、最後は自分からすでに福祉の職員として活躍中の方や、これから活躍するであろう未経験の方に向けて、メッセージを送らせていただきます。
『最上の命医』という自分の好きな漫画(ドラマ化もされました)の中に、「無限の樹形図」という言葉が出てきます。
「子供のいのちを救うことは、未来を創ることだ。子供はひとりに見えてひとりじゃない。ひとりの子供がまた子供を産み、その子供がまた次の子供を産む。どこまでも広がる無限の樹形図だ。目の前の患者を救うことは、その家族や子孫の繋がりである無限の樹形図を救うことになるのだ。」
私は、この言葉は知的障害者支援にも当てはまると信じています。
一人の支援者が次の支援者を育て、その支援者がまた次の支援者を育てていく。
そんな無限の樹形図が広がっていくことで、いつかきっと「みんなが幸せになる社会」を創ることができるはずだと。
これから、この樹形図を一緒に創っていく仲間たちとたくさん出会えることを、心から願っています。
生活介護笑(えみ)では、サービス内容に興味を持って下さった方や、お仕事として関心がある方からのご連絡をいつでも歓迎しています!
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