生活介護の体験利用はこんな感じ。

こんにちは、あきる野市にあります生活介護 笑
支援をあきらめ騎士の紙谷です。

今回は、体験利用時にどのようなことをしているかをご紹介したいと思います。

簡単に言うと・・・

新規の利用者様受け入れに向けて、本人の得意不得意及び必要な配慮を探っていきます。

以下、直近の体験受け入れを例に説明したいと思います。

◯体験受け入れにあたり
利用者様にあった環境整備というのは、当然のことながら一人ひとり違います。
ですので、ご家族・学校・その他関係機関よりできるだけ多くの情報を集めます。
それらの情報をもとに『その人にとって理解しやすい。』と思われる環境を準備していきます。
また、これまでの環境で身についてしまった望ましくない行動や習慣については、より正しい理解へと導けるようにしていきたいと考えています。
そのような場合、新しい環境で生活がリセットされることを利用し、これまでとはガラリと変えた環境にて受け入れを調整することもあります。

今回受け入れ時
これまではスケジュール伝達に文字とイラストを併用していたこと、終わらせることについては比較的意欲的なこと、見通しが立てば落ち着いて取り組めることの情報を得られましたので、上記のような環境を準備しました。
また、活動中に靴と靴下を脱いでしまい、履いてもらうことに困難さがあったということから、『自分のスペースから移動する際は靴と靴下を履く。』というルールを受け取りやすいようにあらかじめ黄色いテープを張って様子を見ることにしました。
このように初回受け入れ時から個人の特性にあった環境に近づけることを試みます。

◯スケジュールの調整(見通しの伝え方)
自閉症の方は見通しが持てると安心につながったりします。
ですので、体験中に取り組むことを視覚的に伝えます。
イラストと写真のどちらがわかりやすいか?
などが観察のポイントです。

今回のまとめより
上記の環境で初日をスタートしましたが、当然うまく行かない部分が見えてきます。
タイマーカード(いわゆる余暇)の時間にいろいろと過ごし方を提案しようとしましたがうまくいきませんでした。
それでも自分の席に座っていることはできていました。
何もしない時間が45分、50分と長くなりそうであれば、より具体的に取り組むものを提示した方がわかりやすいと判断し2日目にカードの種類を増やして様子を見ることにしました。

◯運動プログラム(ウォーキングの様子)
自閉症の方は独特の注意の向け方をしたりします。
ですので、活動時のウォーキングコースを一緒に歩いて様子観察します。
職員の指示を受け取れるか?急な駆け出し等のリスクはないか?
などが観察のポイントです。

今回のまとめより
事前情報にて『運動が嫌い』とうかがっていましたが、思いのほか歩くことができていました。
道中駆け出しや職員の腕を噛もうとする、いわゆる試し行為がみられました。その中で実際に軽く噛みつく場面がありました。
本人がやろうとしたことを修正したために起こったものと判断できます。
噛みつく行為自体は良くないことですが、事前に何も伝えていなかったこちらに問題があります。
次の散歩までに写真カードを準備して対応したところ理解につながりました。

◯室内プログラム(自立課題と余暇)
自閉症の方は明確で具体的なものを好んだりします。
ですので、自立課題の形状や手順書を見ながら自分自身でできるかを観察します。
『なにをどれだけやる。』が伝わるか?課題の追加や中断ができるか?
なども観察のポイントです。

今回のまとめより
なにがどれくらいできそうかということを確認するためにやや負荷をかける設定で作業を提供しました。棚に入っているものを上から順番にとりくみ、全部なくなったらおしまいということは初見で理解していました。
ただし、60分の室内作業枠、その中盤から集中力が切れてきた様子です。
課題を壊して『わからないこと』や『やりたくないということ』を表現される方もいらっしゃいます。
こちらの反応を観察されている場合が多いので、過度な反応をせずに見守ることにしました。

◯語彙検査、TTAP(抜粋)
利用者様にはそれぞれ受け取りやすいコミュニケーション方法があります。
ですので、フォーマルアセスメントの中より、その後の支援に繋げやすい検査項目を確認します。
どのような形の情報(言葉・絵・写真・文字)・どれくらいの情報量が適しているか?
などが観察のポイントです。
写真は絵カードを見て必要な部品を分類したり、組み立てたりする検査の様子です。
指示書通りにきちんと組み立てることができていました。
お手本通りに旅行セットを準備することもできていました。
一方日常的に使う簡単が単語はわかるものの、言葉による指示は受け取りにくいという結果となりました。

といった感じで、2日間でも有効な調整を見出すことができたと思っております。
受け入れ前の環境設定から調整を進めることもできました。

体験利用だけではなく見学随時受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

梅雨、そして厳しい夏を迎えることになりそうですが、体調に気をつけて乗り切っていきましょう。

支援をあきらめ騎士の紙谷でした。

お気軽にお問い合わせください。