出来ないことを出来るようにすること。
あきる野市にあります、生活介護笑(えみ)の野﨑です。
梅雨に入り、暑さと湿気で、身体が悲鳴をあげていますが、皆様はいかがおすごしでしょうか?
さて、早速ですが、この写真は一体何だと思いますか?
実は、手作りの「糸通し」なんです。
なぜ、こんな糸通しを使ってるの?市販の使えばいいじゃんって、思いましたよね?
私もそう思います・・・。
ある利用者様は「スウェーデン刺繍」を取り組んでいます。
そんなある日、糸通しの治具が壊れてしまいました。
壊れてしまったので、新しい物を購入しお渡ししました。
しかし1週間もせずに、また壊れてしまいました・・・。
あれっ。何かおかしいぞ?
そこで、利用者さまが、どんな風に糸通しをしているか?
どうして壊れてしまうのか?様子を見てみる事にしました。
(※これよりお見せする写真に写っている市販の糸通しは、壊れているものを使用しています。
金属部が歪んで変形したりしていますが、通常は歪んでいませんし、簡単には
壊れませんので、お間違えの無いようお願いいたします。)
①針に糸通しを通す。→出来ている。
②糸通しに糸を通す。→出来ている。
③針から糸通しを抜く。→力いっぱい引っ張てる・・・。
どうやら、力いっぱい引っ張る際に糸通しに負荷(力)が
かかり壊れてしまったみたいです。
私たちは、刺繍ができるので、手先が器用だと思い込んでいて
糸通しも出来ると思っていました。
でもこの方は、特定の場面や状況で強い拘りをみせる方なのです。
その強い拘りが、今回は
どうしても力いっぱい引っ張りたい!
で出てしまったようです。
原因がわかれば、次は直せばいいだけ!
まずは、『ちからを入れずに抜く』にチャレンジです。
職員と一緒にやってみました。一緒にやると出来ました。
でも一人でやると数日で壊してしまいました・・・。
どうやら、どうしても力いっぱい引っ張りたいみたいです。
さあ、どうしよう・・・。
もう一度考えてみよう。
・刺繍は問題なく出来ている。
・力で針が折れたり曲がったりはしていない。
・糸通しは、引き抜く以外は力んだ様子は見られない。
そうだ、だったら頑丈な糸通しを作ればいいんだ。
そして完成したのが圧着端子と配線で作った糸通しです。
さあ、早速使ってみましょう。
①針に糸通しを通す。
糸通しに糸を通す。
針から糸通しを抜く。
結果は
問題なく使えましたし、今のところ壊れてもいません。
今回の支援で利用者様が、普段どんな風に作業しているのか?
なぜ糸通しが壊れてしまうのか観察し、
利用者様に対し平行モデリング(見本をみせながら職員と利用者様が
作業を行う事)で出来そうなのか?出来そうでないのか?
観察した結果、
道具による支援を行いました。
支援を進めていくうえで、よ~く観察(細かく作業を観察する)することで
いま何が、利用者達に必要な支援なのかが見えてきます。
もし、なんで出来ないんだろう?なぜわからないだろうと悩んでいたら
もっと観察すると、見えてくるかもしれませんね。
生活介護 笑では新しい利用者様を募集しています。
見学の際は感染対策の為、検温・マスク・消毒のご協力を
お願いします。
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