まずは生活介護から体験しませんか?~体験利用の流れについて①~

こんにちは。

あきる野市にあります、生活介護笑のサービス管理責任者の田中です。

コロナ禍の出口が未だ見えない中ではありますが、おかげさまで7月は2名の体験利用を受け入れることができました。

…ただ、ご家族様や相談支援相談員の方とお話しを進めていく中で、こんな感想をいただくことがあります。

「グループホームの入居を希望していたら、試泊より先に生活介護の体験を勧められて、ちょっと驚きました。」

「先に生活介護で体験してからグループホーム、という流れは初めてです。」

まず生活介護を体験利用し、アセスメント結果をグループホームと共有した上で、居住と通所が連携して受け入れに向けて取り組むというスタイルは、同じSHIPの笑プラス&友セカンドが先に行っています。

今年度からは、笑とグループホーム友(とも)の間でも、グループホーム入居を希望される方に、まず笑を利用していただく取り組みを始めることとしました。

「どうしたらいいんだっけ?」と戸惑うことも正直まだあるのですが、「変化を恐れず、挑戦する姿勢」で頑張っています!

さて、「生活介護から先に体験するのはどうして?」との疑問に、私なりにお答えしたいと思います。

それは、その方にとって「最も有効なコミュニケーションは何か」をいち早く理解するため、です。

重い知的障害のある自閉症の方の中には、言葉での指示の理解が難しい方が多くいらっしゃいます。

そのため、「次はこれをします」、「○○に行きます」など伝える際に、「どのように伝えるのが一番理解できるのか」を、個別に明らかにしていくことがとても大切です。

さらに、日中活動の枠組みの中で有効なコミュニケーション方法を探り、生活の場であるグループホームでの体験に向けての提案をすることで、より一体的に評価や受け入れへの準備を行うことができます。

具体的には、体験が始まるとすぐに、「言葉」「文字」の理解度に関するアセスメントから始めます。

どんな方法かというと…、 

PVT-R 絵画語い発達検査(発行:日本文化科学社)

日常で目にする物や場面を示す4つの絵を示し、検査者が言った単語に最もふさわしい絵を選んでもらうことで、語いの理解力の発達度を把握します。

 

②TTAP(ティータップ)

TEACCH移行アセスメントプロフィールという検査から、「文字による指示の理解」、「言葉による指示の理解」というコミュニケーションに関する2つの検査項目を抜き出して実施します。

〇文字による指示の理解

 

指示が書かれているカードを見て、遂行できるかを見ます。

(例)「ボールを私にください」と書かれたカードを提示する。

 

〇言語による指示の理解

 

いくつかの指示を口頭で伝え、遂行できるかを見ます。

(例)「私に箱をください」と口頭で伝える。

 

 

これら2つの検査を通して、文字と言葉のどちらが理解しやすいか、どのくらいの長さで伝えるのがよいのか、を確かめます。

 

③絵と文字のマッチング

笑プラスで開発されたオリジナルのアセスメントツールを、笑でも作ってみました。 ひらがなの文字カードを、対応するイラストのページに貼っていきます。

 

絵に合わせて言葉を貼ってもらうのですが、スケジュールをどのように伝えるのがよいか、の目安になります。

 

 

 

これら3つのアセスメントツールについては、笑プラスの過去のブログに紹介されていますので、詳しくはそちらをご覧ください、…で終わらせちゃったらつまらないですよね💦

笑での取り組みの様子については、回を改めてお伝えしたいと思います!

 

生活介護 笑では新しい利用者様を募集しています。

見学の際は感染症対策のため、検温・マスク着用・手指消毒等へのご協力をお願いします。

どんなことでも、お気軽にお問い合わせください!

 

<参考元>

上野一彦,名越斉子,小貫悟著(2008PVT-R 絵画語い発達検査手引,日本文化科学社.

梅永雄二(監修)今本繁,服巻智子(監訳)ゲーリー・メジボブ,ジョン・B.トーマス,S.マイケル・チャップマン,エリック・ショプラー著(2012)自閉症スペクトラムの移行アセスメントプロフィール:TTAPの実際,川島書店

 

 

 

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