マスクを捨てない為の心の準備
先日、テレビを見ていたら果物の中で、今の時代にあった総理大臣は
何だろうというのを話し合っていました。
みなさんは、何を思い浮かべましたか?
りんご? メロン? バナナ?
私は、シャインマスカットを思い浮かべた、【生活介護 笑】の野崎です。
さて、今回は、マスク支援についてです。
【生活介護 笑】は重度知的障害で自閉症の方が多く利用されています。
調べてみると、マスクを着用できる方・できない方・外出時だけできる方、と
大きく3つに分かれることが分かりました。
今回は、外に行く時は着用できるけれども、室内へ戻ってくるとマスクを
必ず捨ててしまう方の支援について、知っていただこうと思います。
日常生活での言葉はある程度理解されており、簡単な会話はできる方です。
外に行く時には、マスクの着用ができます。
でも室内に入ると…、マスクをゴミ箱へ、ポイッ。
あっさりと捨ててしまいます。
そこで、まずマスクを室内で保管する支援から始めてみることとしました。
「どうやって支援しようか?」、最初に職員で話し合ってみたところ…、
「伝えれば、できるだろう!」
さあ、支援のスタートです。
翌日、ウォーキングから帰ってくると、案の定マスクを外して捨てようとしたので、
さっそく職員が声をかけてみました。
職員 「今日からマスクを捨てないでください。」
利用者様 「やだ」
職員 …(💦)
同じようなやりとりを何回かしましたが、拒否ばかり。
支援の失敗です。
なぜ、できなかったのでしょうか?
そもそも、これは支援といえるものだったのでしょうか?
私たち職員は、ご利用者様の能力的に【できる・できない】の判断はしました。
でも、【ご利用者様の特性】を考えていませんでした。
支援にあたったご利用者様には、
①活動や作業の意味理解はできるものの、予定の変更が苦手で混乱しやすい。
②好きなアイテムを活かした提示すると、注目しやすい。
という傾向があるのを分かっていたにもかかわらず、「話して伝えればいい」と安易な
答えに走ってしまっていたことに気づきました。
なので、支援の内容につき、
①変更する予定内容を前日に伝え、見通し(心の準備)を持っていただく。
②マスク置き場を作り、注目しやすくする。
の2点の修正を加え、再度トライしてみました。
翌日、利用者様がマスクを外したタイミングで、声を掛けます。
職員 「マスクを捨てないでください」
利用者様 「やだ」
職員 「それなら、明日からマスクは捨てないでもらえますか?」
利用者様 「いいよ」
利用者様から、すんなりOKをもらいました。
そこで、もう一丁!
職員 「明日からは外から戻ってきたら、ここにマスクをかけてください」
利用者様 「OK!」
ちなみにマスクをかけるところは、クリップ1個。
クリップを一個、プラダンにひっかけて
完成!
こんなの支援なの?と思うでしょうが、見栄えの良し悪しは別として、
アイテムによって注目してもらうことには成功しました。
さあ、いよいよ結果です。
翌日、ウォーキングから帰ってきました。
マスクを外しました・・・。
そのマスクを・・・・。
掛けました!
マスクを、さも毎日そうしているかのように、自然な動作で掛けてくれました。
職員は、顔を見合わせガッツポーズ。
ミッションコンプリート!
おいおい、
「なんで成功したんだよ。」
って思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
「最初の支援とたいして内容が変わってないだろう。」
って。
いえいえ、支援の方法はほとんど変わっていませんが
支援へのアプローチが変わったんです!
①活動や作業の意味理解はできるものの、予定の変更が苦手で混乱しやすい。
➝前日に声をかけ、翌日からの変更内容を伝え、見通しを立てる。
②マスク置き場を作り、注目しやすくする。
➝クリップで置き場を作ることで、関心・注目が得られた。
結果、支援の方法をほとんど変えず、定着に成功しました。
声掛けなどの支援って、ややもすると「強制」的なイメージを感じてしまいがちですが、
特性にアプローチすることにより、利用者様の理解しやすい方法で定着することが分かりました。
いや~【見かた】(利用者様への見え方・見せ方)を変えたら、支援が【味方】になってくれました(笑)
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