笑顔がふえる

個性や長所を尊重した活動を通して笑顔をふやします。

生活介護笑の提供する日中活動は、体操などの集団活動にはじまり、屋内でおこなう自立支援課題(=アセスメントのうえ個人に必要と思われる作業)と屋外へのウォーキングといった個別活動を中心にしています。

自立支援課題は、利用者様ごとの興味・関心や「できる部分」「できそうな部分」をアセスメントし、職員が考案・作成したり、専門の療育グッズを提供しています。

自立支援課題(作業)は大きくわけて9種類(全部で50課題ほどご用意しています)

①型はめ(型にはまるものを入れる) ②色分け ③マッチング(数や形を同じにする) 

④ひも通し ⑤プットイン(入れ物にものを入れる) ⑥仕分け(たとえば赤のカードを赤の封筒に入れる) 

⑦封入(紙を封筒に入れる) ⑧組み立て(ボルト締め) ⑨分解(ボルト締めしたものを分解する) 

生活介護笑では、「日中活動を通して個々の長所を伸ばし社会生活の幅を広げ笑顔を増やす」を基本理念にかかげて利用者様を支援しています。

支援事例

衛生面に課題をもつの利用者様(知的障害・障害支援区分4)がトークンエコノミー法とよばれる支援方法により、活動への参加や衛生面(食後のうがい)を徐々に習慣化することができた事例を紹介しています。

  • B様(46歳・男性)
  • 知的障害 障害支援区分4
  • 2014年9月 通所開始

ご本人が希望する長期目標 → 就労をして一人暮らしをすること

―課題―

  • 全体的に作業への意欲は低く、机に伏せて寝ていることもあった。
  • ウォーキングへの拒否もあり、名前を呼ぶと床に倒れ込みてんかん発作を装う姿が見られた。
  • 全体的に衛生面ができていない。特に歯磨きの必要性を感じていない。
  • 服はコーヒーや尿のシミが付いたまま数日間着続け、便臭がすることもある。
  • お住まいのグループホームにて入浴は行っているようだが、洗えているかは不明。髪は見るからにべたついている。

―支援の内容―

【トークンエコノミー法を使って活動に参加】

2017年7月

ご本人がシールやハンコに強い興味を示すことを尊重し、トークンエコノミー法※1を始める。

  1. ラジオ体操
  2. ウォーミングアップ体操
  3. 午前活動
  4. 午後活動がそれぞれできたら、シールをもらい活動チェックシートに貼ることができる。

スタート当初は、シールが貼れる日が多かったため、途中シールが貼れない状態になると、納得いかない様子が見られた。その後、ルールを改正しながら、2018年2月現在も継続中。

【衛生面の取組み ~うがい~ 】

2017年9月

振り返り面談で、身だしなみについてアプローチ。
夢をうかがうと「人の相談にのる仕事がしたい」とのこと。そのような仕事をするために、意識すべき身だしなみをいっしょに考えたところ、ご本人の中で①ひげ②口臭③体臭(服の匂い)が気にすべき上位3つであった。①ひげはグループホームで毎朝剃ることができるようになっていたため、②か③でできそうな方はどっちかうかがう。
「人と面と向かって話すから、口臭かなぁ」とのこと。
歯磨きに抵抗がある様子のため、うがいから始めてはどうかと提案。
「うがいならできそう」と早速スタート。
食事の前後、計2回うがいをする事になる。
始めの5日ほどは意識づけをしていたが、自主的に取り組めるか見るため、その後は声かけせず、見守り。いつのまにかうがいをしなくなる。

【スケジュール提示】

2017年11月

振り返り面談にて「うがいをこれからどうするか」意思確認。
ご本人は「忘れてしまう」とのこと。
どうしたら忘れないか、話をすると、「職員が声を掛けてくれればできそう」とのこと。
グループホームでは職員に声を掛けられなくても、できている旨を話す。
紙に絵を描きながら説明。「うがいを含めた1日の予定を机に貼って、終わったものから移動させていけば、忘れないのでは?と提案。また、うがいができた日とできなかった日が、分かるようカレンダーにシールを貼っていくのはどうか」
食前食後の計2回うがいをするため、1日に2枚貼る。
スケジュールは来所時にご自分で立てていただく。
その後、スケジュールを自分で立て、コップも持参され、あらためてうがいスタート。
カレンダーにシールを貼れることで、うがいは忘れなくなった。

【就労に向けての講座を始める】

「就労したい」という気持ちを汲み取り、11月からアンガーマネジメント※2や、就労に向けての講座をおこなう。毎週金曜日の午後、女性利用者C様と一緒に、怒りについて自分の気持ちをワークに書き起こしたり、第一印象の大切さを学んだりしている。2018年2月には、あきる野市中央公民館で行われた「働くための準備講座」に参加された。

トークンエコノミー法※1
行動療法のオペラント条件づけに属する支援方法。一定の課題を正しく遂行できたときに、あらかじめ約束した条件に従って報酬を与えることで、目標とする行動を強化します。

アンガーマネジメント※2
怒りの感情をコントロールするための心理療法プログラム。自分の怒りがどのように沸き、どのように対処するかを知ることでコミュニケーション能力を向上させます。

1日の流れ

笑の利用者様の過ごし方を大まかにお伝えします。

9:30~ 送迎(グループホーム等へお迎え)
10:00 スタート(出欠確認)
10:15 集団活動(音楽・体操など)
10:45 個別活動 屋内(自立支援課題)と屋外(ウォーキング)に分かれて活動
11:30 AM活動終了
11:45 お茶の時間
12:00 昼食
~順次、服薬支援、口腔ケア、トイレ支援~
13:45 個別活動 屋内(自立支援課題)と屋外(ウォーキング)に分かれて活動
15:25 PM作業終了
15:30 お茶の時間
15:40 掃除
15:50 リラックスタイム(照明を暗くしスローミュージックでクールダウン)
16:00~ 送迎(グループホーム等へお見送り)